昔は家を建てる大工、職人さんに午前10時と午後3時にお茶やお菓子を出すのが当たり前のように言われていました。
そうすることで大工、職人さんは手抜きせず、仕事を丁寧にやってくれるという施主側の打算的な考えもあったのでしょう。
実際私の両親が家を建てた際、母は大工さんはじめ職人さんたちに午前10時と午後3時には必ずお茶やお菓子を出していたそうです。
私は設計事務所に家の建築を依頼しました。
実際に建築に携わるのは設計事務所専属の大工さんはじめ関連の協力業者である基礎工事、屋根工事、左官工事、塗装工事、電気工事ほかたくさんの業者の職人さんがいます。
設計事務所からは事前に大工ほか職人に対するお茶やお菓子などの心遣いは一切不要だと言われていました。
もちろん皆さんプロですから、お茶やお菓子が出ないからといって手抜きなどするはずがありません。
しかしやはり人間、ちょっとした心遣いは嬉しいに決まっています。
問題は当時の私の住まいと建築現場が離れていることでした。
離れているといっても車で20分程度の距離。
家内も自宅で仕事をしており、そうそう毎日建築現場に足を運ぶことはできません。
大工さんは結構休日も作業をしていたので、その時は私も極力缶コーヒーなどの差し入れは持って行きました。
また、大工さんたちが酒好きと聞いていたので、時折「ご自宅でどうぞ」と酒の差し入れもやりました。
大工ほか職人に対するお茶やお菓子などの心遣いは一切不要とは言われていましたが、やはり丁寧な仕事を期待して結構気を使いました。
私の家の建築現場は実家の隣です。
後から聞いたのですが、母が毎日午前10時と午後3時にお茶やお菓子を出してくれていたそうです。
昔気質の母はそれが当たり前だからと言っていました。
やはり、親って有難いもんです。
結果としては職人さんたちに毎日お茶出しをしたことになりました。
お住まいの環境により頻繁に差し入れできない方も多いと思います。
ただ、できる範囲で気遣いをすれば職人さんたちも気持ちよくお仕事をされるのではないでしょうか。
くどいようですが、何もしないからといって手抜きなんかされないはずです。