新聞広告、折込チラシで注文住宅のハウスメーカー、工務店を探す

平成23年の秋、会社から1通の通知を受け取りました。

「平成25年3月31日までに社宅を退去すること」

当時私は48歳、社内規定で社宅に住むことができるのは50歳までと決められていました。

地元以外の勤務地を転々とし、家を建てるきっかけがないまま社宅暮らしが続き、46歳で地元に帰った2年後のことでした。

そろそろ会社から社宅退去の通知が来るだろうと薄々感じていましたがついにやってきました。

実家の隣に50坪の土地を購入していましたので、土地の心配はいりません。

そこに家を建てるだけです。

「よし、来年は家を建てるぞ」と決心し平成24年を迎えました。

 

 

新聞の折込チラシを見てTホームへ行ってみる

平成24年元旦、初詣で「いい家を建てることができますように」と祈願し、決意もあらたに新年を迎えました。

しかし、何から手を付ければいいのかさっぱりわかりません。

「ま、正月ぐらいはのんびりして、正月明けたら真剣に考えよう」ぐらいの調子で、初詣をして実家に戻りました。

おせち料理を食べ、酒も随分飲んだ後、新聞でも見るかと新聞に手を伸ばしました。

実家で購読している新聞は地元紙で、元日の新聞はチラシも含めてビックリするくらいのボリュームです。

折り込みチラシを何気なくめくっていると、真っ赤で広げると畳半畳はありそうな大きなハウスメーカのチラシに目が留まりました。

キムタクのCMでおなじみのTホームのチラシでした。

それまでハウスメーカーのチラシなど気にすることもなかったわけですが、立場変わればで食い入るように読みました。

「坪単価25万8千円」という文字が目に飛び込んできます。

「えー、40坪の家なら1,000万円ちょっとでできるの?」

酔いも醒め急に現実的になり、一気にワクワク感が広がります。

三が日明けの休日、新春フェアと銘打って来場者に鉢植えの花プレゼントの文字も目に飛び込んできました。

すぐ家内を呼んで「今度の土曜日、Tホームに行こう、お前の好きな花の鉢植えももらえるんだって」と言うと家内も乗り気。

これがハウスメーカー、工務店探しの始まりでした。

 

平成24年最初の土曜日の午後、私たち夫婦はTホームの展示場に出かけました。

事務所的なところに行って受付で「家を見に来たんですが」と告げると、担当者が出てきました。

この担当者はAさんという年配のベテランの方で、本当に親切な方でした。

まずは応接に通され簡単な受付後、モデルハウスを案内してもらいました。

最初に見学した建物は白い洋風の造りでした。

中に入るとビックリ、夢のような光景でした。

リビングは広く、大画面の液晶テレビ、大きなダイニングテーブルのほか美しい調度品など。

「家っていいぞ」、ワクワク感がとまりません。

さらにもう一つのモデルハウス、こちらは和風の造りです。

こちらも落ち着いた造りでいい感じでしたが、家内は洋風がお好みのようでした。

モデルハウスを一通り見学した後、事務所の応接に戻り担当のAさんと話をしました。

相手はさすがプロ、早速私から様々な情報を引き出し、私の希望をヒアリングされます。

まずは建築する土地があることを話すと、早速ゼンリンの地図を持ってきて場所を確認されました。

日当たり、広いリビング、義父のための独立した部屋といった希望を伝えました。

さらに太陽光発電は付けますかなど、想定もしていなかったオプションについても聞かれました。

そんな感じで雑談は続き気が付けば時間は18時近く、外は真っ暗になっていました。

「もうこんな時間、長いことお時間を頂きありがとうございました」とこちらから話を切り上げ、プレゼントの花の鉢植えを頂き家に帰りました。

ここに来たのは13時過ぎですので5時間近くもTホームの展示場にいたことになります。

こうして記念すべきハウスメーカー、工務店探しの第1日目が終わりました。

 

それから数日後、TホームのAさんから私の携帯に電話がありました。

「この前のお話しを参考に簡単なプランを作ってみたんですけど、今度の週末お時間ありますか?」とのこと。

せっかくなので伺いますと返答し、初訪問の1週間後再びTホームを訪問することになります。

約束の時間に訪ねるとAさんが笑顔で迎えてくれます。

応接室でAさんが取り出した資料を見てビックリ。

なんとイラストの設計図があるではありませんか。

それも私の土地の上に家が建っている設計図です。

前回の訪問時、私の土地の場所を教えていたので法務局で土地の図面を入手し、それに基づいて設計図を作成していたのです。

駐車スペースを変えた2パターンの設計図が用意されていました。

実際自分の土地の上に描かれた設計図はとてもリアルでした。

一気に現実感が増します。

作成されていた設計図は延床面積が約40坪、1階がリビングと和室、2階が3部屋で吹抜けがあり太陽光発電が付いていました。

その設計図を見ながら説明を受け、雑談が続きます。

話を聞いているうちにだんだん値段が気になってきました。

そこで、「この設計なら一体いくらかかるんでしょうか?」と切り出します。

Aさんは別の資料を取り出し、この設計図の家の見積書を見せてくれました。

結構細かく積算してある見積書で、気になる合計価格はなんと2,200万円ちょっと。

えっ、坪単価25万8千円で太陽光発電を付けたにしても高すぎじゃないとビックリしました。

「結構高いですね、太陽光発電を付けたにしても坪単価25万8千円でこんなになっちゃうんですか?」と聞いてみます。

Aさんは申し訳なさそうに値段の説明をしてくれました。

実はTホームの坪単価は「延床面積」ではなく、 独自の「施工床面積」というのを使って計算しているのです。

「施工床面積」とは通常「 延床面積」では含まない、吹抜けやロフト、ベランダや玄関ポーチまで床面積としてカウントします。

ですから吹抜けやベランダ、玄関ポーチまで合わせた「施工床面積」で計算すると坪単価25万8千円になるとのこと。

「うーん」と考えていると話はさらに続きます。

坪単価25万8千円には地盤調査や屋外の電気、給排水、確認申請料などの付帯工事は含まれておらず、別途約400万円かかるとのこと。

また、食洗機などのちょっとしたオプションを加えるとさらに約50万円アップするとのこと。

よって、太陽光発電を付けるとこの金額になりますとのことでした。

40坪の家なら1,000万円ちょっとでできると思い込んでいた私は一気にテンションが下がります。

「太陽光発電をやめて建物の見直しをすれば値段はグンと下がりますよ、まだ最初のたたき台ですから」とAさん。

そりゃそうでしょうけど、現実とのあまりのギャップにちょっとショックです。

自分の認識の甘さを実感しながら資料を頂いてその日は終了です。

帰りの車中で家内と「1,000万円じゃ無理だよね」なんて話しながら帰りました。

 

数日後再び、TホームのAさんから私の携帯に電話がありました。

「この前のプランを変更してみたんですけど、今度の週末お時間ありますか?」とのこと。

もう一回見てみるかと訪問の旨を返答し、1週間後再びTホームを訪問しました。

もう3回目の訪問になるので、こちらもだんだん勝手がわかってきました。

新しいプランは間取りは大きく変わらず延床面積が約35坪とコンパクトになり、太陽光発電なしで設定されていました。

価格は1,800万円ちょっと、ずいぶん安くなったもんです。

Aさん曰く、「間取りや設備などはこれから打ち合わせで細かく詰めていきます」

ちょっと待てよ、まだTホームしか見てないじゃないか。

「Aさん、私達はまだTホームしか見ていませんので、申し訳ありませんが他社さんも見てみたいんです」と告げました。

Aさんは「当然です。大切な家づくりですから、いろいろ比べて結論を出してください」と言って下さいました。

新しいプランを頂いてTホームを後にしました。

 

結局、元旦の新聞に入っていた折込チラシから始まったハウスメーカー、工務店探しですが、平成24年1月はTホームを3回訪問しただけで終わりました。

このペースじゃとてもたくさんのハウスメーカー、工務店をあたれない。

2月は作戦を切り替えてたくさんのハウスメーカー、工務店を訪ねようと思いました。

 

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