銀行の住宅ローン金利で得する方法

 

住宅メーカーや銀行の言いなりでは少しもいいことはありません。

家は高い買い物ですし、銀行に支払う住宅ローンの金利負担はかなりの額になります。

ここでは、元銀行員の立場から住宅ローンで得する方法を披露します。

銀行が嫌がることは借主にとって得になることが多いんです。

 

 

銀行同士を競争させよう

この方法は返済能力、健康状態に問題がなく、住宅ローンの審査に問題なくパスできる方におすすめです。

住宅ローンの審査に不安のある方はやめたほうがいいでしょう。

金利の低いネット銀行は別として、一般の銀行を検討する場合は必ず複数の銀行をあたってみましょう。

それだけでも金利に多少の差があると思います。

その中で最も金利の低い銀行と契約してもいいのですが、それ以外の銀行にもその条件を伝えるとさらに金利を下げてくるケースがあります。

値引きのようなものです。

現在の住宅ローンは基準金利(店頭表示金利)から一定の金利を差し引く方式で住宅ローン金利を決定しています。

これにはある程度の幅が持たせてあり、場合によっては住宅ローン金利が下がるかもしれないのです。

銀行同士の住宅ローン獲得競争は想像以上に熾烈なんです。

新規の住宅ローンに限らず、既存の住宅ローンの借り換えについても銀行同士でしのぎを削っています。

金融業界の仁義なき戦いと言っても過言ではないでしょう。

銀行の各支店には住宅ローンのノルマが与えられます。

そして各支店では担当者にそのノルマを割り振ります。

担当者は支店長から、支店長は本部からノルマ達成に向けた厳しい檄が飛び交っているんです。

そのような状況ですので、銀行同士を競争させることで金利の好条件を引き出すことができるのです。

駆け引きや交渉は苦手な方も多いでしょうがやるとやらないでは大違い、ここはひとつ頑張ってみてください。

住宅ローンは高い買い物なんです。

0.1%でも低い金利の住宅ローンを勝ち取りましょう。

複数の金融機関に一括して住宅ローンを申し込めるサイトもあります。

 

繰り上げ返済手数料の安い住宅ローンを選ぼう

住宅ローンを効果的に減らす方法に繰り上げ返済というものがあります。

繰り上げ返済とは毎月決められた返済額のほかに、別途余裕資金でローンの一部を返済することです。

これはストレートに効きます。

なぜなら、繰り上げ返済した分は元金返済にあてられるからです。

ですから繰り上げ返済を行なうと元金に対してかかるはずの利息が減り返済総額も少なくなります。

繰り上げ返済をすると住宅ローンの残高が減りますので、その後の返済が変わってきます。

「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2通りです。

期間短縮型は毎月の返済金額はそのままで、当初の予定よりも返済期間を短縮するものです。

返済額軽減型は返済期間を変えずに、毎月の返済額を軽減させるものです。

それぞれメリットがありますが、私は総支払額が減少する期間短縮型をお勧めします。

住宅ローンの借入後、住宅ローンの返済に加えて貯蓄もされますよね。

都市銀行の定期預金金利は0.025%程度です。(2015年7月現在)

一方、都市銀行の住宅ローンの金利は変動金利型で0.9%程度、固定金利型で1.65%程度です。(2015年7月現在)

金利を比べると変動金利型住宅ローンは定期預金の36倍、固定金利型では実に定期預金の66倍の金利なんです。

子供の教育費や不測の支払いに備えて貯蓄は大切です。

しかし、必要充分な額を超える貯蓄は繰り上げ返済に回した方が得なんです。

それは0.9%や1.65%の定期預金と同じ効果なのですから。

ですから、そのご家族で必要充分な貯蓄額を把握し、それを上回る分については貯蓄に回さず繰り上げ返済にあてられることをお勧めします。

まとまった金額で繰り上げ返済されても構いませんが、コツコツ細かく繰り上げ返済をした方がより効果的です。

ただ、ここで問題になるのが繰り上げ返済にかかる手数料なんです。

多くの金融機関は繰り上げ返済について手数料を設けています。

金利タイプや繰り上げ返済の金額にもよりますが、数万円の手数料を取られる場合があります。

自分の借金を返済するのに手数料を取られるなんてばからしいですよね。

銀行は住宅ローンをより長く、より多く借りていてほしいんです。

だから繰り上げ返済を嫌うんです。

銀行が嫌う繰り上げ返済は裏を返せば借主にとっては有利でお得な制度なんです。

繰り上げ返済を有効に活用するために、繰り上げ返済手数料の安い住宅ローンを選びましょう。

ネット銀行では繰り上げ返済手数料が無料のところもありますし、銀行によってはネットバンキングでの手続きでしたら繰り上げ返済手数料が無料だったり、割引されているところもあります。

住宅ローンを選ぶ際、金利だけでなく繰り上げ返済手数料についてもぜひチェックしてください。

 

他の銀行での借り換えも検討しよう

住宅ローンは借りたら終わりではありません。

例えば、住宅ローンを借り入れた後に市場の金利が下がったとします。

変動金利型であれば金利も下がりますが、固定金利型であれば金利はそのままです。

銀行から固定金利型の金利を下げましょうなんて気の利いた話は一切ありません。

また、借主が銀行に金利の見直しを申し出ても、簡単には応じてくれないでしょう。

そんな時は他の銀行に相談する方法があります。

上述した通り、銀行同士の住宅ローン競争はとても激しいのです。

ですから、相談された銀行は喜んで相談に乗ってくれます。

市場金利が下がっている分、低い金利での借り換えが可能であると思います。

銀行が他の銀行の住宅ローンを借り換えで獲得することを業界用語で「肩代わり」といいます。

この肩代わり、すればヒーロー、されれば重罪人といった代物でこれこそが銀行同士の仁義なき戦いなのです。

ある日突然、他の銀行から資金が送り付けられることがあります。

その資金こそ住宅ローンの肩代わり資金なのです。

そして資金の到着と同時に他の銀行の担当者と顧客が支店に来店し、住宅ローンの返済を申し出るのです。

担当者は顔面蒼白、なんとか顧客に思い留まってもらうために土下座なんていうシーンもありました。

そのくらい競争が激しいんです。

話はそれましたが、他の銀行に相談すると有利な条件が引き出せます。

他の銀行で借り換えるのも一手ですが、その条件を提示して今借り入れている銀行と交渉するのも一手です。

必ず条件の見直しをしてくれます。

なぜなら、他の銀行に住宅ローンを奪われてしまえばそれこそ元も子もないからです。

私が勤務していた銀行は住宅ローン借入の入口は結構厳しかったんですが、借入後、他の銀行からの肩代わり攻勢に対しては結構柔軟に対応して防衛をはかっていました。

つまり金利の引き下げに応じていたわけです。

今は住宅ローンの借り換えを受け付けるサイトもあります。

 

他の銀行で住宅ローンの見直しを検討する場合は次の2点に注意してください。

不動産担保関係費用の確認

住宅ローンには土地と建物に抵当権という担保権が設定されます。

この手続きは通常司法書士という専門家によって行われ、費用が結構高額で数十万円単位のお金がかかります。

他の銀行で住宅ローンの借り換えを行う場合、当初借りていた銀行の担保権の解除と新たに借り入れる銀行の担保権の設定が必要になります。

この費用を賄ってもメリットが出る金利でしたら問題ありませんが、メリットの出ない金利では借り換えの意味がありません。

ですから、不動産担保関係費用を確認し費用対効果があるか充分注意してください。

 

固定金利型住宅ローンの違約金の確認

固定金利型住宅ローンでは固定金利に関する特約といって住宅ローンを返済する場合、違約金を取られるケースがあります。

内容は銀行によって違いますが、こちらも違約金が高額になるケースがあります。

他の銀行での借り換えを検討する場合には、今住宅ローンを借り入れている銀行で違約金が発生するか、また発生した場合はいくらかを確認しておきましょう。

銀行に住宅ローン返済の違約金について尋ねるだけで、その銀行はとても警戒するはずです。

なぜなら、他の銀行に住宅ローンを持って行かれるのではと心配するからです。

その際に金利の見直しの話を切り出すのも一手でしょう。

通常、変動金利型の住宅ローンには違約金はかかりません。

 

なお、住宅ローンの詳細については「金利で得する住宅ローン.com」というサイトを公開していますので、こちらもよかったらのぞいて見て下さい。

 

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